抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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情報処理関連支出の中でシステム運用にかかる費用の割合は70%程度を占め,運用コスト削減が喫緊の課題である。情報システムの運用コスト削減には,運用手順の自動化が効果的であり,メッセージの監視がよく用いられる。大規模なデータセンタでは,メッセージの発生頻度,発生順序などの条件を考慮したメッセージ分析によって,正確に情報システムの状態を把握することが行われている。本研究では,データセンタ運用におけるメッセージ分析に,ストリームDB(Data Base)の適用を検討した。ストリームDBは,メッセージのような刻々と生成されるデータ系列の分析において近年注目されている技術である。ストリームは,発生順に追加される無限に続く時系列データ系列であり,ストリームから一定の条件に基づいて有限個数のデータ系列を抽出した結果は,RDBにおけるテーブルとみなすことができる。ストリームDBでは,この有限個数のデータ系列に対して,問合わせ言語CQL(Continuous Query Language)によって問い合わせる。本稿では,ストリームDBを適用することで専用のソフトウェアの開発を不要とするメッセージ分析方式を提案した。さらに,性能を意識したCQLの設計方法と,それに基づくCQLの自動生成方式を提案した。そして,ストリームDBを適用したメッセージ分析方式と従来方式を比較した結果,ストリームDBの適用により,現行のメッセージ分析システムでは全体のスローダウンによって発生を検知するまでに約10分かかる特定発行元からのメッセージ多発の状況が30秒で検知できることを示した。さらに,現行では検知の時間も含めて約20分かかる発行元の特定が1分以内で行うことができることを示した。以上より,適用実験の目的である迅速な対応に有効であることを確認し,提案手法の優位性を示した。