抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在JAXAでは将来の火星探査計画の候補の一つとして,エアロキャプチャ技術を応用した無着陸サンプルリターンシステムが検討されている。本システムでは探査機は火星大気圏突入後,誘導制御飛行を行いつつ高度約40kmにおいて火星大気中の砂塵等のサンプルを採取するものである。本研究では,火星大気圏突入飛行時の空力加熱に耐えうる熱防御システムの構成を検討する。特に熱防御システムを構成するアブレータ材の必要厚さを推算する.熱防御システムの重量評価を行い,今後の実施される詳細なミッションシステム検討に必要なパラメータを提供する。アブレーション熱防御システム重量推算手法としてまず,本研究で考慮するアブレーション熱防御システムは,CFRPアブレータ,可撓タイプフェルト断熱材,構造部材の3層から構成されると仮定した。CFRPアブレータとしては現在JAXAを中心に開発が進んでいる比重0.3のアブレータと,「はやぶさ」カプセルに搭載された比重1.4のアブレータを考慮する。次に熱防御システムの性能評価を行うため,火星大気圏突入軌道に沿って各層の熱伝導解析を行う。特にアブレータ部の評価には,JAXAにおいて開発が進んでいる1次アブレーション熱防御システム評価解析コードを用いた。つづいて,火星無着陸サンプルリターンにおける飛行軌道についての概略が示される。結果および考察は,CFRPアブレータ及びフェルト断熱材の初期厚さを様々に仮定することにより,火星大気圏突入開始から再び大気圏を離脱する1050秒後までの熱伝導解析結果について示されている。