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J-GLOBAL ID：201002216285776207   整理番号：10A1084944

江戸時代における“だまし”のコーティング技術

著者 (2件)： 神谷嘉美 (東京都産業技術研究セ) ,  宮腰哲雄 (明治大 理工)
資料名： 塗装工学  (Journal of Japan Coating Technology Association)
巻： 45  号： 10  ページ： 374-381  発行年： 2010年10月30日 
JST資料番号： S0871A  ISSN： 0285-3787  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 外観の体裁が良く,工程が簡単で安価な塗装として江戸時代に使用された技法の一端を,科学分析によって明らかにした事例を紹介した。達磨大師像が置かれていた黒色台座背板の正面側,裏面側について分析した。目視的手法による検証および断面構造の観察から,正面側は木地層/灰色下地1/灰色下地2/白色下地/黒色塗料層/塗膜層/箔層/塗膜層という構造であった。同様に裏面側の層構造も示した。更に個々の層の分析を行った結果,箔には銀箔を使い金色と感じさせる効果を出していること,塗膜層は漆であり表面層は含油漆の可能性が考えられることを述べた。又,銀箔の接着剤は水溶性の膠であり,白色下地層は,炭酸カルシウムと膠を混合したものであることなどがわかった。

シソーラス用語： 漆 ,  塗料 ,  *塗装 ,  *塗膜 ,  清掃 ,  顕微鏡観察 ,  色相 ,  光沢 ,  断面 ,  平滑度 ,  銀 ,  金属箔 ,  膠 ,  炭酸カルシウム ,  下地材料 ,  *多層構造 ,  化学分析 ,  膜厚 ,  機器分析
準シソーラス用語： 江戸時代 ,  組成分析 ,  透明性 ,  背板

分類 (3件)： 各種塗料  (YJ03060I) ,  塗装・塗装設備一般  (YJ04010M) ,  各種接着剤  (YK03000X)

引用文献 (6件)：

• JIS Z 8722: 2009色の測定方法--反射及び透過物体色5. 分光測色方法
• JIS K 5600-4-7: 1999塗料一般試験方法--第4部: 塗膜の視覚特性--第7節: 鏡面光沢度
• 神谷嘉美, 加藤寛: 文化財保存修復学会誌, 51, pp. 51-58(2006)
• Yoshimi Kamiya, Rong Lu, Teruka Kumamoto, Takayuki Honda, Tetsuo Miyakoshi: Surface and Interface Analysis, 38, pp. 1311-1315(2006)
• 柘植新, 大谷肇, 渡辺忠一: “高分子の熱分解GC/MS--基礎およびパイログラム集--”, pp. 392-393, 株式会社テクノシステム出版 (2006)

タイトルに関連する用語 (2件)： 江戸時代 ,  コーティング