抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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カロテノイドは日常に摂取している多くの野菜に含まれる色素成分であり,ヒト血漿中に存在するカロテノイド濃度は他の哺乳動物より高く,その種類も豊富である。カロテノイドの機能としてはβ-カロテンに代表されるプロビタミンAとしての栄養学的役割に加えて,抗酸化性に由来すると考えられる疾病予防作用が報告されている。本研究では,プロビタミンA作用を持たないキサントフィル類であり,トウモロコシ中に豊富に含まれるゼアキサンチンの生体利用性を解明することを目的とした。特に,構造が極めて類似しているルテインとの比較および,同様の構造的差異を有するα-カロテン,β-カロテンを対照とした4種類のカロテノイドについてヒトおよびマウスにおける吸収試験を行った。マウス摂取試験ではゼアキサンチンの血漿濃度が他のカロテノイドと比較すると非常に低い値を示し,臓器蓄積においてはルテイン,ゼアキサンチンよりもα-カロテン,β-カロテンのほうが高い傾向がみられた。一方,ヒト試験においてはα-カロテンが他の3種のカロテノイドよりも吸収性が低いことが示唆された。以上の結果より,ヒトにおいてはトウモロコシ中のゼアキサンチンはルテインと同程度に吸収されることが示唆されたが,マウスの吸収代謝においてはこれら2種のカロテノイドは区別されていることが示された。(著者抄録)