抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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大気拡散予測に必要な都市下層大気の安定度を得るため,姫路市街地で高さ72mのタワーを使って気温の鉛直分布を1年間測定した。これと並行して建物の屋上で表面温度を測定した。また,夏と秋に各1日,係留気球を使い,地上から270mの高さまで気温を測定した。その結果,次のことがわかった。昼間,下層大気の温位勾配は不安定となり,高さ18mと70mの間の温位減率は夏に大きく,強不安定となり,冬にはやや小さくなる。夜間,地上から建物高さの2~3倍までの温位勾配は中立に近くなる。この中立層の成因には,ラフネスサブレーヤに生じる強いメカニカル乱流が作用していると考えられる。また,夏の夜間は建物屋上表面温度が気温よりも高い状態が明け方まで持続しており,これも明け方まで中立か弱い不安定状態が残っている原因と考えられる。都市上空に存在する夜間の安定層は年間を通して出現し,安定層の温位勾配は冬季に大きい。その底面高度は建物高さの2~3倍付近にある。下層大気の2高度(地上18mと70m)の温位差とバルク式表現である建物屋上表面温度と基準高さ(地面からの高さ18m)の温位差に関して,不安定から中立大気状態にかけて高い相関が得られた。この結果は下層大気の安定度の推定に利用できると考えられる。(著者抄録)