抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
計算環境の大規模化と並列分散アプリケーションの高度化が加速している現在,大規模な並列分散環境をサポート可能な並列分散処理系への要請が高まっている。大規模環境をサポートするうえでは,計算資源の動的な参加/脱退を越えて1つの並列計算を継続実行できるような枠組みが欠かせない。特に,より多様で広範な並列分散アプリケーションを支援するためには,クライアント・サーバ方式のように計算資源どうしが疎に結び付いて動作するような枠組みではなく,多数の計算資源がもっと密に協調して動作するようなアプリケーション領域に対しても,動的な参加/脱退を柔軟にサポートできるような枠組みが求められている。以上をふまえて本研究では,動的な参加/脱退をサポートする大規模分散共有メモリの処理系としてDMI(Distributed Memory Interface)を提案して実装し,評価する。DMIでは,動的な参加/脱退を可能とするコンシステンシプロトコルを新たに提案するとともに,動的な参加/脱退を実現するプログラムを容易に記述可能なpthread型の柔軟なプログラミングインタフェースを整備する。さらに,DMIでは,ユーザ指定の任意のサイズによるコンシステンシ維持,非同期read/write,マルチモードread/writeなど,分散共有メモリの性能を改善するための明示的で細粒度な最適化手段を提供する。評価の結果,DMIは,ヤコビ反復法による熱伝導方程式の求解のように,単純なクライアント・サーバ方式では記述できず,多数の計算資源が密に協調しながら動作するアプリケーションに対しても,計算資源の参加/脱退を越えた計算の継続実行をサポートし,参加/脱退に相応して動的に並列度を増減できることを確認した。また,pthreadプログラムとの記述上の類似性や最適化手段の有効性も確認した。(著者抄録)