抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リンの国内フローを精査し,供給ルートをリン鉱石・肥料,食飼料,鉄鋼とし,リンフローが介在する産業,消費,廃棄等の部門を約20セクターに整理した。その上で2002年度における各種統計を用いて国内のリンのマテリアルフロー分析を行った。その結果,2002年度ベ-スで高炉溶銑から製鋼スラグ中に分配除去されるリンの量は約97kt-Pにのぼり,この量はリン鉱石として輸入されるリンの総量,約111kt-Pとほぼ同量であった。従って製鋼スラグとくに溶銑脱リンスラグは,潜在的なリンの2次資源としてきわめて有望であると言えた。スラグ中のリンの存在状態をEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)で分析したところ,スラグの構成層は鉄をほとんど含まずリンが10%程度に濃縮した「リン濃縮相」と,リンをほとんど含まない「マトリックス相」に大別でき,強磁場によって両者を分離できる可能性が高いと予想された。模擬スラグで粒子径を3水準に調整したスラグ試料について磁気分離実験を行った。いずれの粒子径においても,リン回収率は磁場強度の増加とともに低下する傾向が認められ,磁場強度一定のもとでは,リン回収率は粒子径が小さいほど向上した。本実験で得られたリン回収物はFeO濃度はリン鉱石とほぼ同等のレベルであったがP
2O
5濃度は低値であった。しかしながら,資源としてのリンの用途は多岐にわたるので,その用途は十分確保できると考えられた。