抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
トマトは世界各地で生産消費されている重要な栽培植物であり,自殖性で交雑操作も容易であることから,遺伝や品種改良の教材に適すると考えられる。そこで本報告では,トマトを含む9種類の栽培植物を取り上げ,生殖様式(自殖性か他殖性か),不和合性など,合計9特性に着目して,遺伝や品種改良の教材に用いる場合の適性を比較検討したところ,トマトは教材としての適性が非常に高いと判断された。次に,果実の大きさや色の異なるトマト品種を実際に栽培し,これらの間で交雑を行って雑種植物を育て,後代の遺伝分離を観察する実験を行った。その結果,F
2世代において果肉色(黄色と赤色)や果皮色(無色と燈色)などに,一見してわかる質的な遺伝分離が観察され,メンデル遺伝の具体例を示すことができた。同時に,果実の大きさや形においては連続変異を示す量的な遺伝が観察された。以上のように,トマトは栽培しやすい身近な植物である上,交雑が容易で,識別しやすいメンデル遺伝形質を持つことなどから,遺伝や品種改良を学習するための優れた教材であることが明らかになった。(著者抄録)