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J-GLOBAL ID：201002236315926072   整理番号：10A1383929

ルミノールの化学発光反応におけるコバルト(III)錯体の触媒作用

The Catalysis of Cobalt(III) Complexes in the Chemiluminescent Reaction of Luminol

著者 (4件)： 河田裕介 (神戸大 大学院人間発達環境学研究科) ,  児玉谷仁 (鹿児島大 大学院理工学研究科) ,  山崎重雄 (岡山理大 理) ,  齊藤惠逸 (神戸大 大学院人間発達環境学研究科)
資料名： 分析化学
巻： 59  号： 8  ページ： 665-671  発行年： 2010年08月05日 
JST資料番号： F0008A  ISSN： 0525-1931  CODEN： BNSKAK  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： ルミノールは塩基性条件下,遷移金属イオンなどの触媒存在下で過酸化水素と反応し,6員環ペルオキシド中間体を経て2価のアミノフタル酸陰イオンの励起状態を生じ,これが基底状態となる際に発光すると考えられている。本研究では28種類のCo(III)錯体を合成し,ルミノールが過酸化水素と反応し化学発光する際の触媒作用について検討した。Co(III)錯体の構造に基づき五つのグループに分けて検討を行った。触媒作用の評価には,フローインジェクション分析法(FIA)を用いた。配位子の違いにより発光量に極めて大きな差異が認められた。検討した錯体の中で[Co(NO₂)(NH₃)₅]Cl₂及び[Co(CO₃)(NH₃)₄]Clが顕著な触媒作用を示した。これら2種類のCo(III)錯体を用いて,FIAによる過酸化水素定量への応用を試みた。最適な検出条件を検討し,検出限界(S/N=3)について調べた結果,[Co(NO₂)(NH₃)₅]Cl₂では0.2nM(2fmol),[Co(CO₃)(NH₃)₄]Clでは5nM(50fmol)と高感度な値が得られた。検量線は,いずれのCo(III)錯体とも10μMまで良好な直線性(r>0.99)を示した。共存イオンの影響について検討し,実試料への適用を試みたところ河川水中の過酸化水素の測定が可能であった。(著者抄録)

シソーラス用語： 化学ルミネセンス ,  *ルミネセンス分析 ,  *コバルト錯体 ,  *触媒活性 ,  *過酸化水素 ,  フローインジェクション分析 ,  配位子効果 ,  *河川水 ,  高感度 ,  痕跡量成分 ,  定量分析 ,  ダイナミックレンジ ,  検出限界 ,  測定精度 ,  妨害成分 ,  最適条件 ,  窒素複素環化合物 ,  芳香族アミン ,  芳香族縮合化合物 ,  第一アミン

分類 (3件)： 天然水の物理分析  (CC03070C) ,  その他の触媒  (CB06123Z) ,  コバルトとニッケルの錯体  (CE01092Y)

物質索引 (1件)： ルミノール

引用文献 (23件)：

• 1) P. Fletcher, K. N. Andrew, A. C. Calokerinos, S. Forbes, P. J. Worsforld : Luminescence, 16, 1 (2001).
• 2) L. Gámiz-Gracia, A. M. García-Campaña, J. F. Huertas-Pérez, F. J. Lara : Anal. Chim. Acta, 640, 7 (2009).
• 3) A. M. García-Campaña, L. Gámiz-Gracia, W. R. G. Baeyens, F. A. Barrero : J. Chromatogr. B, 793, 49 (2003).
• 4) L. L. Klopf, T. A. Nieman : Anal. Chem., 55, 1080 (1983).
• 5) T. G. Burdo, W. R. Seitz : Anal. Chem., 47, 1639 (1975).

タイトルに関連する用語 (5件)： ルミノール ,  化学発光 ,  コバルト ,  錯体 ,  触媒作用