抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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車輪・レールから生じる転動音は,列車速度の広い範囲で主要な音源である。そこで,アレイ装置による転動音の評価をレール放射音に着目して検証した。まずインパルスハンマーを用いてレールを加振し,レールの振動特性を調べた。次に,レールを伝播する曲げ波の振幅,位相を考慮したレールの音源モデルを構成し,加振器を用いてレールを加振することによってレールまわりに生じる音圧分布を測定し,音源モデルの妥当性を確かめた。最後に,レールの音源モデルを用いて,アレイ装置による転動音の測定・評価における問題点を整理した。それらの結果をまとめると次の通りである。レールの加振試験等から,レールに対応する音源モデルは相関性音源別で構成することが適切であることが明らかになった。また,アレイ装置を用いた転動音の測定する場合,レール振動が遠方まで伝播される周波数域では,正面方向に指向性を有するアレイ装置はレールからの放射音の大部分を測定していないことがわかった。これは,アレイ装置による音源解析における音源の前提条件がレール放射音の特性と符合しないためである。このために,アレイ装置による測定結果では,転動昔においてレール放射音の寄与を過小に評価する傾向があることがわかった。