抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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機器故障以外の軌道回路障害の要因としては,「漏れコンダクタンス変動」と「短絡不良」などが挙げられる。前者は,雨天時などにレール間の漏れコンダクタンスが増大し,軌道リレーを落下させる事象である。また,後者はレール頭頂面の錆や汚れにより,列車短絡抵抗が大きくなり列車検知を不能にしかねない事象である。漏れコンダクタンスや短絡抵抗の急激な変化を検知することは困難であるが,徐々に変化する場合には,営業車を利用した簡易な測定によって検知できる可能性がある。本研究においては,列車の前後に設備した受電器より,走行に伴い変化するレール電流値を測定することで,軌道回路の状態を監視する手法の可能性を検討した。本研究で提案した手法により,軌道検測車のような高精度な測定は難しくても,ATCで使われている受電器を取り付けるだけで,軌道回路状態の変化や漏れコンダクタンスの変動を監視可能であることの見通しを得た。具体的には,送信端のレール電流及び受信端短絡時の受信端の電流から漏れコンダクタンスを推定し軌道回路中間での送信側及び受信側のレール電流から短絡抵抗を推定する方法を提案した。さらに送信端のレール電流及び残留電流比によって残留電圧を推定し,短絡状態を把握することを可能にした。今後,今回の提案式の理論的な裏付けを検証するため四端子定数を用いた軌道回路シミュレーションによりその妥当性を検討していきたい。