文献

J-GLOBAL ID：201002240612431985   整理番号：10A0838774

冷房の気流が睡眠と皮膚温に及ぼす影響-被験者実験による冷房方法の比較-

Effects of Cool Airflow on Sleep and Skin Temperatures-Comparison of Two Types of Air-Conditioners by Human Subject Experiments-

著者 (3件)： 森戸直美 (旭化成ホームズ 住宅総技研) ,  西宮肇 (旭化成ホームズ 住宅総技研) ,  都築和代 (産業技術総合研 ヒューマンライフテクノロジー研究部門)
資料名： 空気調和・衛生工学会論文集  (Transactions of the Society of Heating, Air-Conditioning and Sanitary Engineers of Japan)
号： 161  ページ： 19-27  発行年： 2010年08月05日 
JST資料番号： G0149B  ISSN： 0385-275X  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 冷房の気流が睡眠に及ぼす影響について明らかにする目的で,被験者実験を実施した。比較したのは,エアコンの風を感じにくくするために開発した天井設置型冷房システム(天井冷房)と一般的な壁取り付け型エアコン(エアコン冷房)の2条件である。いずれの条件とも,実験室内の平均温度が26°Cになるように制御した。実験用戸建住宅内の2実験室を使って10名の健康な青年男子を被験者とした。被験者近傍における実測の平均値は,天井冷房条件は温度26.4°C,相対湿度53%,平均放射温度26.1°C,風速0.04m/s,PMV-0.25,エアコン冷房条件は同じく26.4°C,58%,26.3°C,0.14m/s,-0.30であった。天井冷房の方が,風速は小さく(躯幹部位置で最大風速0.3m/s,エアコン冷房では1.1m/s),かつ,送風頻度(冷風が吹き出す頻度)も少なくなった(8時間あたり11回,エアコン冷房では28回)。平均皮膚温や快適感,睡眠段階毎の総時間には2条件間で有意な差は認められなかったが,エアコン冷房の方で風を感じており,温冷感でやや寒いという申告であった。送風時においての比較では,エアコン冷房の方で皮膚温低下度が額や腕など露出部位において有意に大きくなり,覚醒,心拍数の上昇,ならびに,体動の回数が有意に多くなった。これらの結果は,エアコン冷房の方が冷刺激となり睡眠を阻害する可能性があり,天井冷房の方が睡眠に適していたことを示唆している。(著者抄録)

シソーラス用語： *冷房 ,  気流 ,  睡眠 ,  皮膚温 ,  実験 ,  空気調和装置 ,  指数 ,  温度 ,  相対湿度 ,  風速 ,  覚醒 ,  心拍 ,  比較
準シソーラス用語： 影響 ,  *被験者実験 ,  *冷房方式 ,  天井設置型冷房システム ,  壁取り付け型エアコン ,  天井冷房 ,  エアコン冷房 ,  PMV ,  平均放射温度 ,  快適感 ,  心拍数

分類 (1件)： 冷房  (PC02030Q)

引用文献 (13件)：

• 田辺新一. 寝室・寝床内環境の快適性に関するアンケート調査. 空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集, 1995. 1995, 1253-1256
• 鳥居鎮夫. 睡眠環境学. 163, 154
• TAHARA, Y. Evaluation of environmental and physiological factors of a whole ceiling-type air conditioner using a salivary biomarker. Building and Environment. 2009, 44, 1156-1161
• 森戸直美. 冷房の気流が睡眠に及ぼす影響について-被験者実験による検証-. 日本生気象学会誌. 2009, 46, 3, 31
• 土井由利子. ピッツバーグ睡眠質問表日本語版の作成. 精神科治療学. 1998, 13, 6, 755-763

タイトルに関連する用語 (5件)： 冷房 ,  気流 ,  睡眠 ,  皮膚温 ,  被験者実験