抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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分岐器を動作(転換)させる転換鎖錠装置は,「転換」,「照査」,「鎖錠」,これらの状態を信号装置に伝える「伝達」の4つの機能を有している。転換鎖錠装置の特性の評価は,実物の転換鎖錠装置と分岐器を組み合わせた実測試験に頼っている現状であり,多額の費用や時間が必要である。鉄道総研では,実測試験によらない機械的特性の推定,評価手法の開発に取り組んでいる。本報告では,新幹線用転換鎖錠装置を対象に,転換時に電気転てつ機に加わる力である転換負荷力を,電気転てつ機と分岐器を結ぶ転てつ用品に注目して推定する基礎的な負荷伝達モデルを提案し,モデルを適用して転てつ用品の改良効果の評価を試みた結果について述べた。まず,エスケープクランクにおける力の伝達に注目した,転換負荷力伝達モデルを提案し計算機シミュレーション及び実設備を用いた測定試験を実施した。また,モデルを用い,エスケープクランクの改良効果の推定を行い,クランクの試作試験を実施した。その結果,以下の結論を得た。1)モデルの適用によりエスケープクランク部の負荷伝達を実用的な精度で計算できる事を確認した。2)寸法の異なる2種類の転換鎖錠装置の平均転換負荷力は,シミュレーション,実測ともに同様の傾向となる結果を得た。但し,挙動や負荷の絶対値を評価するためには,今後,トングレールの運動や転てつ用品の運動を考慮したモデルが必要である。3)エスケープクランクの改良品に対するシミュレーション及び試験結果から,エスケープクランクの改良による転換負荷力軽減の有効性を確認した。