抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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様々なREE負荷レベルでの腐植物質(HS)を伴う希土類元素(REE)の錯形成を,誘導結合型プラズマ質量分光計(ICP-MS)と結合した溶媒抽出と平衡透析の各法によって研究した。標準的なスワニー河産フミン酸(SRHA)に伴うREEの見掛けの安定度定数(β
M-HS)を,Pmを除けばすべてのREEに対して同時に測定した。β
M-HSはHSに対するREE負荷の増加と共に減少し,一方,β
M-HSはあるREE負荷レベルを超えてほとんど一定である。REE負荷レベルに伴うβ
M-HSの変化は,HSにおいてREEの幾つかのタイプの結合サイトの存在を示唆する。次に,β
M-HSをK
MA(ティッピングの”フミンイオン-結合モデルVI”に対するREE-HS相互作用パラメータ)に変換し,REE中の相対差についての様々なREE負荷レベルにおけるREE-HS錯形成(すなわちREEパターン)に関するこれまでの研究によるデータと比較する。溶媒抽出の場合,logK
MAのREEパターンはREE負荷レベルの変化と共に変動する。SmとEuの周りのピークが,高いREE負荷の領域でlogK
MAのREEパターン中で観測され,一方,logK
MAは低いREE負荷領域でREEの原子番号が大きくなると共に増加した。他方,logK
MAのREEパターンのそのような変化は,平衡透析の結果では観察されなかった。logK
MAのREEパターンのこの違いは,総金属負荷レベルにより説明され,元々HSに含まれるFe
3+とAl
3+の寄与を含む。HS中のREEの主な結合サイトは,HSに対し実験的に得たlogK
MAのREEパターンを,カルボン酸塩に対する線形の自由エネルギーの関係(LFER)に基づいて見積もったものと比較することによって決定した。REEパターンの同一性は,単純なカルボン酸塩が高い金属負荷領域でREEの主な結合サイトであり,一方,キレートサイトが低い金属負荷領域で鍵となる役割を演じることを示唆する。著者らの結果は,様々なREE中のHS錯体の相対安定性は金属負荷レベルの関数として変化することを示す。(翻訳著者抄録)