抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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K-Ar年代測定法はKに富む試料に適用が限定されるため,第四紀火山の年代測定に適用できる材料は限られている。Kに富む斑晶鉱物であるサニディンは融点が高くArの脱ガスが不完全で,実年代よりも有意に若い年代を与えることが知られている。連続レーザーを用いた
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39Ar年代測定法をサニディン斑晶に適用すると,十分な量のArを得ることができるため,このような問題を解決できる。男鹿半島戸賀湾北部,戸賀集落北部の沢から採取した戸賀軽石層の細粒火山礫凝灰岩から軽石火山礫を拾い上げ,サニディン斑晶を抽出した。サニディン斑晶1粒子で5回,2粒子を融解させて1回,4粒子をまとめて融解して1回の測定を行った。合計7回の測定結果は誤差の範囲内で一致し,0.42±0.01Maの加重平均値を得た。この年代は,同試料から分離したジルコンFT年代0.42±0.04Maと良い一致を示す。この年代を天文学的地磁気年代尺度に換算すると0.43±0.01Maとなり,戸賀軽石層の同時異相である男鹿パミスタフの上位を示める白頭山男鹿テフラの酸素同位体ステージ年代448Kaと2σの範囲内で重なる。このように,若い火山噴出物であっても,サニディン結晶が含まれていれば
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39Ar法によって,その年代を求めることができる。