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J-GLOBAL ID：201002258280271438   整理番号：10A1012049

精密重合の最前線 有機触媒を用いたリビングラジカル重合

著者 (1件)： 後藤淳 (京大 化研)
資料名： 高分子  (Polymers)
巻： 59  号： 10  ページ： 798-799  発行年： 2010年10月01日 
JST資料番号： F0168A  ISSN： 0454-1138  CODEN： KOBUA3  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 有機分子を触媒とした重合が注目されている。重合反応機構が異なる2種の有機触媒を用いたリビングラジカル重合について述べる。最初は,可逆連鎖移動触媒重合である。成長末端保護基がアルキル-ヨウ素付加体で,触媒がN-コハク酸イミドである系では,開始剤で生成した成長ラジカルが,それら両者の間で可逆的に移動する。この系の反応機構は新規である。触媒には,亜リン酸エステル,アミン,フェノールとジエンなども有効であることも確認した。二つめは,錯体が形成する重合である。触媒はトリエチルアミンなどの第三アミンであり,この第三アミンが分子鎖末端のヨウ素を直接引き抜き,成長ラジカルが生成する。よって通常のラジカル開始剤は不要となる。ヨウ素と第三アミンとから錯体を形成するため,一分子あたり窒素原子を複数個有する多価アミンが高反応性を示した。有機触媒は,安価で取り扱いが容易であり,経済性や環境性で優れており,魅力的な合成法になり得る

シソーラス用語： *重合 ,  *有機化合物 ,  リビングラジカル重合 ,  連鎖移動 ,  反応機構 ,  錯体生成 ,  第三アミン ,  ヨウ素化合物 ,  ポリアミン ,  化学合成 ,  分子構造 ,  *ポリメタクリル酸メチル ,  亜リン酸誘導体 ,  フェノール類 ,  ジエン ,  脂肪族カルボン酸 ,  酸イミド ,  ジカルボン酸 ,  オレフィン化合物 ,  不飽和カルボン酸 ,  カルボン酸エステル
準シソーラス用語： *精密重合 ,  *有機触媒 ,  有機触媒反応

分類 (2件)： 重合反応一般  (CG04010H) ,  反応速度論・触媒一般  (CB06010G)

物質索引 (2件)： こはく酸イミド ,  メタクリル酸メチル

引用文献 (6件)：

• HEGEDUS, L. S. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 17997
• RAYNAUD, J. Macromolecules. 2009, 42, 5996
• KAKUCHI, R. Macromolecules. 2009, 42, 8747
• GOTO, A. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 13347
• GOTO, A. Polymer. 2008, 49, 5177

タイトルに関連する用語 (3件)： 精密重合 ,  有機触媒 ,  リビングラジカル重合