抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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MITのグループが2つの相対するコイルを用いて2m離れた場所で60Wの電球を点灯する事に成功して以来,ワイヤレス給電に世界の耳目が集まつている。しかし,これまでに設計法は発表されていない。最近MITのシステムより簡単な,正対した2つのコイル共振器のみで構成されたシステムの等価回路による解析が行われた。著者等は,このシステムの本質を2段帯域通過フィルタ(BPF)であると考えて同様に集中定数素子により等価回路表現し,BPFの設計理論を用いる事によって比較的簡単に有用な関係式が得られる事を明らかにした。その報告では,1つの共振器と電源,もう1つの共振器と負荷を直接結合しているので設計の自由度が比較的小さかったが,今回は電源及び負荷はそれぞれループコイルを介してスパイラル共振器に結合する形式を取り上げる事にした。2つのスパイラルコイルはそれぞれ共振器を形成しており,それらの結合は相互誘導回路で表す事ができる.又,スパイラルコイルとループコイルの結合も同じく相互誘導回路で表現できる。従って全システムは誘導結合した2つの共振器から成る2段の集中定数型BPFに他ならず,BPF理論を用いれば必要なパラメータすべてに対して解析的表現を与える事ができる.本報告ではまずシステムの等価回路を示し,その等価変換を行ってBPFの標準回路にたどりつく。そしてその標準回路が整合したBPFとなるための条件を回路素子に与える事によって元の等価回路素子値の満たすべき関係を与える。更に得られた式を用いていくつかの設計例を示し,回路損失の影響やシステムの伝送効率についても解説する。