抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Te濃度約10%以上の場合に知られているZnTeの析出を抑えるため,成長温度とSe/Znビーム圧比を高めた成長条件下で,分子線エピタキシー法によるZn,Se,Te同時蒸着モードでのZnSeTe混晶の育成を行い,Te濃度の制御を試みた。成長温度360°C,供給元素ビーム圧比Zn:Se:Te=0.4:2.0:x(×10
-5Pa)の成長条件下(ただし,x=1.2,0.4,0.2)で,各試料(本論文中でそれぞれTe1.2,Te0.4,Te0.2と呼ぶ)を膜厚約5000Åまで成長させた。反射高速電子線回折(RHEED),高分解能X線回折(HRXRD),ラマン散乱分光(RSS),フォトルミネッセンス(PL)測定により各試料の表面状態,結晶性,光学的特性を評価した。試料は全て表面の平坦性を保って成長し,表面はVI属安定化面となっていた。ZnSe/ZnTeヘテロ界面での混晶化を防ぐZn分子線処理の適切な挿入時間として,3秒が有効な指標となることが分かった。いずれの試料においてもZnTeがZnSe母結晶から析出せずに混晶化し,Te1.2試料ではTe濃度が約30%に達していた。ただしTe1.2試料においては,Te濃度の異なる領域が存在して超格子構造を形成していることが示された。またこの試料では,8~180Kの温度上昇に伴い発光エネルギーが上昇し,複雑な電子構造の存在が示唆された。