文献

J-GLOBAL ID：201002270184885387   整理番号：10A0049419

超臨界降着円盤によるブラックホール風の観測的特徴とスペクトル

Observational Appearance and Spectrum of Black-Hole Winds with Supercritical Accretion Disks

著者 (1件)： FUKUE Jun (Osaka Kyoiku Univ., Osaka)
資料名： Publications of the Astronomical Society of Japan  (Publications of the Astronomical Society of Japan)
巻： 61  号： 6  ページ： 1305-1312  発行年： 2009年12月25日 
JST資料番号： G0279A  ISSN： 0004-6264  CODEN： PASJA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 幾何学的に厚い超臨界降着円盤の中心領域から吹き飛ばされた光学的に厚い相対論的球対称風(ブラックホール風)の観測的特徴と期待されたスペクトルを吟味した。通常のDopplerブーストと共に相対論的周縁減光(中心増光)効果により,ブラックホール風は風の速さが増加すると共に発光し明るくなる。「裸」の超臨界降着円盤のスペクトルは,極向き方向から見たとき平坦スペクトルエネルギー分布(SED)を持つことが知られているが,ブラックホール風のスペクトルは黒体スペクトルに多少似ていることを示した。超臨界降着円盤によるブラックホール風の場合のスペクトルは一般的に混合型になるが,ほとんど全ての場合に超臨界円盤の特徴的な平坦SEDは現れないことが分かった。言い換えると,風のガスの速さが低いときブラックホール風の見かけの光球は超臨界領域よりも更に大きくなる。この場合,ブラックホール風のスペクトルが支配する。風の速さが十分に高くなるとき,傾斜角が小さくても裸の超臨界円盤の内部は見えない。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *ブラックホール ,  *恒星風 ,  *降着円盤 ,  光学的厚さ ,  球対称性 ,  Doppler効果 ,  エネルギー分布 ,  放射エネルギー ,  光球 ,  傾斜角 ,  *宇宙X線源 ,  光度
準シソーラス用語： 減光 ,  周縁減光 ,  超臨界降着円盤 ,  放射輸送

分類 (2件)： 恒星  (DB05000P) ,  宇宙線起源  (DB02020Q)

引用文献 (36件)：

• Abramowicz, M. A., Chen, X., Kato, S., Lasota, J.-P.,& Regev, O.1995, ApJ, 438, L37
• Abramowicz, M. A., Czerny, B., Lasota, J. P.,& Szuszkiewicz, E.1988, ApJ, 332, 646
• Abramowicz, M. A., Novikov, I. D.,& Paczynski, B.1991, ApJ, 369, 175
• Akizuki, C.,& Fukue, J.2008, PASJ, 60, 337
• Barnes, A. D., Casares, P. A., Charles, P. A., Clark, J. S., Cornelisse, R., Knigge, C.,& Steeghs, D.2006, MNRAS, 365, 296

タイトルに関連する用語 (5件)： 超臨界 ,  降着円盤 ,  ブラックホール ,  観測 ,  スペクトル