抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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英国のWillam Ramsayは元素発見の巨匠として知られ,一連の希ガス元素発見により,1904年ノーベル化学賞を受賞した。アルゴン,ヘリウム,ネオン,クリプトン,及びキセノンを発見し,メンデレーエフの周期表に新たな一族を加えた。これは,0族と扱われ,現在は18族になっている。20世紀初頭から放射性物質に興味をもち,ソディーとともに原子核の崩壊現象を研究し,原子は不変であるというドルトン以来の原子説に革命的変化をもたらす結果を得た。ラジウムを癌治療に用いる研究も行った。また,物質の表面張力と分子容との関係のRamsay-Shields式,及び類似物質の異なる圧力の下での融点についてのRamsay-Youngの規則も提出した。日本から,後に東北帝国大学総長となる小川正孝が1904年から2年半,Ramsayのもとに留学して新元素ニッポニウムの研究を行った。これは現在のレニウムである。Ramsayの死後,彼を記念する奨学金の設置が決まり,亀山直人を初め日本でもこの恩恵を受けた留学生が何人かおり,それは今でも続いている。