抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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数理議論学は数理論理学と学問的に類似し,形式化による現象の理解を試みる議論学である。本論文では,数理議論学に影響を与えたDungの抽象議論フレームワークと複数主義を唱える議論意味論について解説し,議論を記述するための多値議論の論理(LMA)を紹介した。LMAは豊かな反論関係を有する知識表現言語としてEALP(Extended Annotated Logic Programming)に基づき,束をなす真理値の順序関係を情報の量という基軸に基づいて解釈し,反論,無効化,打破,完全な無効化,攻撃といった議論の衝突関係を定義している。また,インターネット上に実在するエージェント同士による議論が可能な統合議論環境として実装され,1)社会的知能の実現,2)モデル構築困難な問題に有効な計算方式,3)ダイナミズムに対応できる問題解決法の提供,4)社会的・文化的計算原理といった議論の特徴から,分散人工知能やエージェント指向計算に有用である。さらに,i)矛盾した知識ベースからの推論,ii)選好基準に基づく柔軟な推論,iii)結果に対する説明機能の具備から人工知能分野への議論の応用可能性を論じた。