抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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二相ステンレス鋼は高強度と優れた腐食抵抗を示す。この鋼は硬さと摩耗抵抗が低いため,表面硬化処理を摩耗環境下で実施すべきである。本研究では摩耗抵抗の向上のためプラズマ窒化を行った。しかし,従来の723~823Kの温度範囲でのプラズマ窒化はステンレス鋼の腐食抵抗が低下する。これは鋼中のクロムが窒素と反応して窒化クロムを生成するためで,安定なパッシブ層の生成に必要なマトリックス中のクロム濃度を低下させる。723K以下でプラズマ窒化するとS相と呼ばれる窒化物層が生成する。この相は腐食抵抗を低下させることなく表面硬さを向上させる。このため,低温プラズマ窒化法がステンレス鋼処理に用いられる。アクティブスクリーンプラズマ窒化(ASPN)は通常の直流プラズマ窒化(DCPN)に加えてプラズマ窒化プロセスとして行われる。ASPNには通常のDCPNに比べてエッジエフェクト,アーク放電及び中空陰極放電が無い等のいくつかの利点ある。使用した試料はSUS329J4L(X2CrNIMoCuN25-6-3)である。窒化はDCPNとASPNにより673と723Kで18ks行った。窒化した試料は外観観察,X線回折,SEM-EDX分析,硬さ試験,摩耗試験及び孔食電位測定による腐食試験等の種々の試験で調べた。窒化後,ASPNプロセスをDCPNプロセスと比較した場合,摩耗抵抗が向上し,エッジエフェクトが除かれた。S相が全ての処理した試料に認められ,ASPN試料のオーステナイト相とフェライト相に均一に生成した。更に,腐食試験から孔食電位がプラズマ窒化で減少しないことが明らかとなった。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.