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J-GLOBAL ID：201002291565516873   整理番号：10A1755067

スピンキャストにおける前駆体溶液濃度のポリスチレン超薄膜物性への影響

Effect of Precursor Solution Concentration at Spincasting on Physical Properties of Polystyrene Ultra-Thin Films

著者 (5件)： 阿多誠介 (東京工業大学大学院理工学研究科有機高分子物質専攻) ,  本間立樹 (東京工業大学大学院理工学研究科有機高分子物質専攻) ,  伊藤賢志 (産業技術総合研究所計測標準研究部門) ,  小林慶規 (産業技術総合研究所計測標準研究部門) ,  扇澤敏明 (東京工業大学大学院理工学研究科有機高分子物質専攻)
資料名： 高分子論文集  (Japanese Journal of Polymer Science and Technology)
巻： 67  号： 11  ページ： 626-631 (J-STAGE)  発行年： 2010年 
JST資料番号： G0122A  ISSN： 0386-2186  CODEN： KBRBA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： スピンキャストにより作製した膜厚が慣性直径(~55 nm)以下のポリスチレン超薄膜について密度(ρ),ガラス転移温度(T_g),膜厚緩和時間(τ)といった諸物性に対する前駆体溶液の高分子濃度依存性を,エリプソメトリーおよび X 線反射率法により評価した.膜厚 22 nm の薄膜試料では,前駆体溶液が高分子鎖重なり濃度(C^*)以下へ減少すると,バルク体に比べ,室温での ρ が増大したにもかかわらず,T_g は減少した.そこで,室温で乾燥した未緩和試料の τ を評価したところ,前駆体溶液濃度の減少とともに τ は減少することがわかった.体積構造緩和における τ の減少は高分子主鎖の絡み合い点間分子量の増大を示しており,これに伴う分子鎖内の局所運動性の増大が T_g の減少に寄与していることが示唆された.C^* は溶液中の高分子鎖の分子間相互作用のしきい点であることから,超薄化に伴うガラス転移温度の変化において,前駆体溶液中の分子間相互作用が重要な役割を持つことが示唆された.(著者抄録)

シソーラス用語： *ポリスチレン ,  *超薄膜 ,  スピンコーティング ,  濃度依存性 ,  高分子溶液 ,  慣性半径 ,  膜厚 ,  *緩和時間 ,  *密度 ,  からみ合 ,  高分子鎖 ,  分子間相互作用 ,  分子運動 ,  希薄溶液
準シソーラス用語： X線反射率 ,  エリプソメトリー ,  *ガラス転移温度

分類 (1件)： 高分子固体の物性一般  (CG02021V)

引用文献 (40件)：

• 1) J. L. Keddie, R. A. L. Jones, and R. A. Cory, Faraday Discuss., 98, 219 (1994).
• 2) J. L. Keddie, R. A. L. Jones, and R. A. Cory, Europhys. Lett., 27, 59 (1994).
• 3) J. A. Forrest, K. Dalnoki-Veress, J. R. Stevens, and J. R. Dutcher, Phys. Rev. Lett., 77, 2002 (1996).
• 4) J. A. Forrest and K. Dalnoki-Veress, Adv. Colloid Interface Sci., 94, 167 (2001).
• 5) C. L. Soles, J. F. Douglas, and W. L. Wu, Macromolecules, 36, 373 (2003).

タイトルに関連する用語 (6件)： スピン ,  キャスト ,  前駆体 ,  溶液 ,  ポリスチレン ,  薄膜物性