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J-GLOBAL ID：201002294610399980   整理番号：10A1043752

植生保護法面の凍結・融解過程における挙動特性

Behavior of vegetation protection slopes during freezing and thawing

著者 (6件)： 上野邦行 (シー・エス・プランニング) ,  RUI Dahu (中国・河南理工大学土木工程学院) ,  中村大 (北見工業大学工学部) ,  伊藤陽司 (北見工業大学工学部) ,  山下聡 (北見工業大学工学部) ,  鈴木輝之 (北見工業大学工学部)
資料名： 地盤工学ジャーナル(Web)
巻： 5  号： 3  ページ： 413-424 (J-STAGE)  発行年： 2010年 
JST資料番号： U0044A  ISSN： 1880-6341  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 冬季の凍上と春季の融解沈下を繰り返す地域の法面では,融解期に表層すべりによる被害が多く発生する。凍上の発生方向は熱流方向に一致し,融解沈下の方向は鉛直下方に作用する重力の影響を受ける。この時,法面では凍上が発生する方向と重力の方向が異なるため,凍上した地盤の表面は元の位置に戻らず凍結前の位置より斜面下方に移動する。この移動の毎年の累積が,法面の崩壊を誘発すると考えられる。しかし,凍結・融解過程における実斜面の挙動をとらえた報告はほとんど見られず,合理的根拠に基づいた融解時表面すべり崩壊の対策工法は未だ確立していないのが現状と言える。本研究では,北見工業大学構内の盛土法面で,植生方法の異なる4つの試験区間を設け,5シーズンに渡って凍結・融解過程における法面の挙動を実測した。結果として,1)凍結・融解過程における有限長の法表面の凍上変位,融解沈下及びそれらの成分として現れる移動量が実測値として定量的にとらえられた。2)法面のすべり崩壊を誘発すると考えられる法面下方への移動は融解沈下時に発生し,その大きさは発生凍上量に加えて,植生の成育状況,さらには植生補強の有無によることなどが明らかになった。(著者抄録)

シソーラス用語： *斜面崩壊 ,  *斜面 ,  *凍結融解 ,  凍上 ,  沈下 ,  地滑り ,  植生 ,  地盤改良
準シソーラス用語： *植生保護法面 ,  盛土斜面 ,  地盤補強 ,  表層滑り ,  融解沈下

分類 (2件)： 斜面安定,掘削変形  (RA03070L) ,  雪氷工学,寒中工事  (RC03000S)

引用文献 (13件)：

• 1) 佐々木晴美:寒冷地ののり面保護工,土木技術資料,Vol.22,No.8, pp.18-30, 1980.
• 2) 鈴木輝之,根岸正充:北海道道路工事における凍害-特に斜面,トンネル,側溝について,土と基礎,Vol.37, No.9, pp.65-70, 1989.
• 3) 堀井徹,松岡憲知,松倉公憲:フロスト・クリープによる斜面物質移動に関する実験,筑波大学水理実験センター報告,No.11, pp.21-27,1987.
• 4) Higashi, A. and Corte, A. E.: Solifluction: a model experiment. Science, 171, pp .480-482, 1971.
• 5) 石井孝行:足尾山北部の山地斜面における凍結・融解による斜面物質の移動,地理評,49,pp.523-537,1976.

タイトルに関連する用語 (6件)： 植生 ,  法面 ,  凍結 ,  融解 ,  過程 ,  動特性