抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
小径複合切削工具は,径6mmのブルノーズ形エンドミル形状で,外周部に切れ刃3枚と工具先端中央部に球面状突起を持つ。しかし,広い平面加工には加工能率が低いので,φ35mmのエンドミルタイプで,超硬インサート2枚を取り付けた平面加工用切削-バニシング複合切削工具を開発した。加工表面押し伸ばしピン2本をφ25mmの位置に設置した。A7075-T651平板の小径複合切削工具加工面は,中心ピンの回転押しならし状態が転写され,平面用複合切削工具では,エンドミル底刃のカッターマーク同様の痕が見られた。油性切削油使用の場合,加工面は滑らかに押しならされ,乾式では押しならし痕の一部にむしれによる盛り上がりが見られた。小径複合切削工具の生成残留応力は,加工表面より内部で最大負値-300MPaとなり,加工面から0.3mmでも負値を保ち,クロスフィード方向で圧縮度合いが大きく,210HV以上に硬化した。平面加工用複合切削工具のピン回転半径分だけクロスフィードした加工では,加工表面上のどの方向にも同程度の等方的高残留応力が生成された。送り速度0.08mm/toothの場合,圧縮残留応力は,送り方向,クロスフィード方向ともピークで-350MPa以上で,0.2mm/toothの場合,送り方向ピークで-400MPa程度,クロスフィード方向で-200MPa程度であった。4mmと6mmのピン先端曲率半径の場合,送り方向で加工表面から0.05mmの深さで圧縮残留応力は約-400MPaとなったが,10mmの場合,送り方向とクロスフィード方向ともピーク位置が表面から0.15mm~0.2mmで,-300MPa程度となった。S45Cの小径複合工具のバニシングに特化した摩擦撹拌形バニシングでは,表面硬度が最高900HV程度に達し,加工硬化だけでなく,マルテンサイト変態と結晶粒微細化も生じていると判断される。