抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ニホンナシ‘幸水’における栽培方式と仕立て方が樹体生育,収量および乾物生産に及ぼす影響を検討した.栽培方式を地植栽培と根圏制御栽培の2処理,仕立て方を平棚栽培とY字仕立ての2処理として,平棚地植区,Y字地植区,平棚根圏区およびY字根圏区の4処理区を設けた.Y字根圏区はLAIが4.9で他の処理区の2倍程度と大きかった.また,Y字根圏区の着果数は栽植の割当面積1 m
2当たり18.5果と他の処理区の約2倍となった.葉果比はすべての処理区で35程度と差がなかったため,10 a換算収量はY字根圏区で6.1 tで最大となり,慣行の平棚地植区の2.2倍と多収となった.糖度は根圏制御区で高かった.Y字根圏区の新梢発生程度は4処理区の中間値で樹勢は中程度であったため優良な新梢が多く発生し,m
2当たり花芽数が最大となった.10 a換算の乾物生産量はY字根圏区で大きかった.また,果実への同化産物分配率はY字根圏区で43.0%,平棚根圏区で39.1%と高かった.細根も根圏制御した2区が地植した2区よりも高く,根圏制御により細根の発生が多くなった.これらのことより,根圏制御栽培では仕立て方をY字仕立てにすることにより,糖度が高く慣行の2倍の収量が得られることが明らかとなった.根圏制御栽培では細根の発生が多く樹体生育が良好になるとともに,Y字仕立てにすることでLAIが大きく乾物生産量が多くなること,コンパクトな樹形とすることで果実への同化産物分配率が高まり,収量および糖度の向上が図られた.(著者抄録)