抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,比較的分子容が大きく,水素結合に関与しうる官能基を一つしか持たない,あるいはπ電子を持つ有機液体を用いて,既往の研究よりも高温条件で木材を膨潤させ,それら液体の諸物性と膨潤量との関係を検討した。その結果,従来,木材を膨潤させないとされてきた分子容が100ml/mol程度の比較的分子容が大きな液体でも膨潤しうることがわかった。また,多くの供試液体で,温度の上昇に伴う膨潤量の増加が見られ,その傾向は分子容が大きく,立体的にかさばった形状の液体で顕著であった。さらに,ほとんどの供試液体で,膨潤過程において異方性の極大が見られ,この傾向は高い膨潤能の液体ほど顕著であった。以上のことから,液体分子が木材を膨潤するには,液体分子の水素結合能だけでなく,その大きさや立体的なかさばりなどとともに,木材の吸着点に近づくために液体分子内の水素結合に関与しうる官能基の位置も重要と考えられる。(著者抄録)