抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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航空機の電源はエンジン駆動の発電装置による400Hz一定周波数の交流を用いるのが一般的であるが,駆動回転数が変動しても発電機を定速回転させ一定周波数を得るため,無段変速機を内蔵している。これを駆動装置一体型発電機(Integrated Drive Generator: IDG)と称する。従来型のIDGは油圧式無段変速機を使用していたが,効率・信頼性向上を目的に著者らはハーフトロイダル形トラクションドライブ式無段変速機(Traction Drive Continuously variable Transmission: T-CVT)をIDGに適用する取組を行ってきた。T-CVTを航空機に適用するに当たっての最大の関門は重量である。また,信頼性向上と制御には低電流化が必要である。前者に対し,著者らは高速化により小型・軽量化を回ったが,高速回転時には変速比制御不安定問題を生じる。後者に対しては,従来のパワーローラのオフセット量と傾転角の2つをセンシングしてフィードバックするカスケード制御式のサーボ機構に対して,センサレス電子油圧サーボ機構を適用した。本報では,まず著者らが開発したトラクションドライブ式IDG(T-IDG)の基本構造とT-CVTの構造・諸元を示す。次にCVTのセンサレス変速比制御における制御原理と非同期不安定問題で油圧回路に絞りを入れることによる対処について記す。つづいて実機T-IDGを製作後,テストベンチにて制御特性試験を実施した。その結果が,絞りの効果の確認,入力軸回転数変化/負荷変化に対する定速特性として示される。最後にT-IDGを実際のジェットエンジンに装着しての試験結果について記してある。