抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
埼玉県東部の中川低地一帯では,1923年の大正関東地震の際に震源から100km程度離れているにもかかわらず震度7に相当する家屋の倒壊被害が報告されている。この被害の大きい地域に分布する沖積層の特徴及びその成因を調べることを目的にして,春日部市備後東地区で掘削したボーリングコア試料(GS-KBH-1)を用いて,堆積相・珪藻化石群集組成・物性・AMS放射性炭素年代値について検討した。その結果,沖積層は下位から,網状河川流路,蛇行河川の氾濫原,干潟,潮汐の影響した上方深海化する浅海底,上方浅海化する浅海底,塩水湿地,現世河川流路~氾濫原の合計6つの堆積相が認定できる。表層~深度20m以上に分布する泥層は,9,000cal BP~現世にかけて0.5mm/yr程度のほぼ一定した堆積速度で徐々に形成されており,低密度・高含水率・低N値の特徴を有する。このような軟弱な泥層は,奥東京湾から現在の低地へと移り変わる過程で形成されたものであると考えられる。こうした泥層が分布する地域でも近年では都市化が進行しているので,将来発生する大規模地震の際には強震動について留意する必要がある。(著者抄録)