抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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国内では1985年頃,鉄道総研において,列車制御システムの機器構成がどうあるべきかをゼロベースから検討し,地上設備の少ない無線を利用した列車制御システムCARATの提案がなされた。その後,JR東日本がCARATをベースにした無線式列車制御システムATACSの開発に着手し,仙石線で使用開始の準備を始めている。ヨーロッパでは,鉄道用列車無線GSM-Rを使用する信号システムETCSをべースとしたヨーロッパ統一の列車制御システムERTMSの導入が進められている。ヨーロッパ共通の列車制御システムを目指すETCSは,1989年ごろから検討されてきた信号システムで,最終目標のレベル3では列車の位置検知は車上の速度発電機により行われ,GSM-Rで地上にその情報が伝送され,それらの情報に基づき列車制御が行われる。地上設備が省略でき,また,移動閉そくが実現できる。閑散線区向けには,ERTMSのコストを抑えた無線式列車制御システムERTMS-Regionalの開発も進められている。中国では,チベットの青蔵鉄道の一部や武漢~広州の高速鉄道に無線式列車制御が実用化されている。無線式列車制御で実現される主な機能の実現手法について述べた。今後の課題としては,無線利用時の信頼性確保,周波数の確保などのほか,列車の最後尾位置を把握する列車長の管理がある。