抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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豚の系統造成では相対希望改良量を達成するための選抜が主流である。本研究では,豚の系統造成において制限付きBLUP法によって種豚を評価した場合の10世代にわたる選抜反応をコンピュータシミュレーションによって比較した。繁殖集団の大きさは,毎世代雄10頭雌50頭とした。選抜の対象は,1日平均増体重(DG),背脂肪厚(BF),ロース芯面積(EM)の3形質とし,10通りの相対希望改良量を想定した。選抜には制限付き選抜指数法(RSI法)および制限付き最良線形不偏予測法(RBLUP法)を用いた。さらにRBLUP法は,集団のすべての個体に制限を付加する方法(AR-BLUP法)および選抜候補個体にのみ制限を付加する方法(PR-BLUP法)の2通りを想定した。予想されたように,RBLUP法はRSI法よりも高い選抜反応を示した。第10世代におけるPR-BLUP法による選抜反応はAR-BLUP法のそれよりも僅かに高い傾向にあるものの,選抜法による統計的な差は認められなかった。平均近交係数はいずれの相対希望改良量を用いても類似した値となり,選抜後5世代の平均近交係数は約9%,10世代のそれは約19%であった。また,平均近交係数において選抜法による差はみられなかった。以上のことから,DG,BFおよびEMの3形質に対する選抜では,遺伝的パラメーターおよび相対希望改良量が本研究の範囲内にあれば,いずれの制限付きBLUP法を用いても類似の選抜反応が期待されると考えられた。(著者抄録)