抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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落石は地形,地質,気象条件などの多くの要因が複雑に関与することから,その発生機構は末解明な部分が多い。鉄道では,落石災害防止のため,目視などによる定期的な点検を行い,その結果に応じて危険度を判定し,種々の対策を実施している。しかし,より効率的な検査を実施するために,現場技術者が実施可能な定量的な落石安定性評価手法の確立が求められている。落石は大きく剥落型と転落型に分けられる。このうち,剥落型落石は主に岩盤中に分布する割れ目が伸展したり,割れ目を含まない岩盤中に新たに割れ目が形成されたりすることで不安定化し岩塊が剥落する現象である。そのため,岩塊が斜面から剥離する部分(以後,剥離面)の強度を把握することが,割れ目の分布を把握することと同様に落石発生の危険性を評価するうえで重要である。既往の研究で,剥離面の引張強さが岩塊の安定性の指標の一つとなることが示されている。しかし,剥離面の強度を把握するためには風化の程度を考慮する必要がある。さらに剥離面中には岩塊を岩盤に力学的に保持している領域があり,その領域の面積が岩塊の安定性に影響している。本報告では,剥落型落石を対象として前述した評価方法を基礎とした岩塊の安定性を定量的に評価する手法を検討した。その結果を次の項目にまとめた。1)剥離面の引っ張り強さの推定,2)落下岩塊の大きさの推定による岩塊の安定性評価方法,3)打音測定による岩塊の安定性評価方法,4)安定性評価方法の適用性。