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J-GLOBAL ID:201102252371182526   整理番号:11A0807631

反強磁性的に結合したスピンの超高速反転を媒介する強磁性様過渡状態

Transient ferromagnetic-like state mediating ultrafast reversal of antiferromagnetically coupled spins
著者 (18件):
資料名:
巻: 472  号: 7342  ページ: 205-208  発行年: 2011年04月14日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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強磁性あるいは反強磁性スピン秩序は,磁性における最強の力である交換相互作用によって支配される。磁性材料のスピンダイナミクスを理解することは,情報処理・記録技術の進歩にとってきわめて重要な課題である。通常,そのようなスピンダイナミクスは,磁場,電流または光のパルスによる外部摂動後の交換結合したスピンの集団応答,すなわちスピン共鳴を観測することによって調べられている。対応する共鳴の周期は,強磁性体のナノ秒から,反強磁性体のピコ秒にまで及ぶ。しかし,交換相互作用(10~100fs)に対応する時間スケールよりも速い時間スケールで励起された後の磁性材料内部,すなわち非断熱的過程におけるスピンの挙動については,実質的には何も知られていない。今回我々は,元素選択的計測手法であるX線磁気円二色性を使って,GdFeCoでのスピン反転を調べた。このGdFeCoは,GdスピンとFeスピン間の交換相互作用の特性時間に関連する時間スケールで光学的に励起されている。予想外にも,スピンが反強磁性的に結合したこの材料で,超高速スピン反転が,強磁性的過渡状態を経て起こることを我々は見いだした。光学的励起の後,GdとFeの各副格子の正味磁化は急速に減少,反転し,正味の磁気モーメントが再構築されるが,実質的に時間スケールはそれぞれ異なる。Gd副格子の正味磁気モーメントは1.5ピコ秒内で反転し,Feの反転時間(300フェムト秒)より相当遅いことが明らかとなった。結果として,基底状態では反強磁性的結合であるにもかかわらず,GdとFeの正味モーメントの一時的な平行配列を特徴とする過渡状態が現れる。これらの意外な観測結果は,原子論的シミュレーションによって裏付けられており,交換相互作用の時間スケールでの磁気秩序の操作可能性という概念をもたらす。Copyright Nature Publishing Group 2011
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金属結晶の磁性 
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