抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,「骨」を題材とした中高一貫教材の作成とりわけ,物理,化学分野にまたがった教材の作成とその教育効果の検証を目的とする。骨の強度(物理分野)と成分(化学)に関する内容についての新教材を開発し,これを使用した介入授業を行った。その教育的効果を検証するため,授業の前後と1ケ月後に,授業内容の理解や「理科」や「自然」に関する意識についての質問紙調査を行った。4クラスを2つの授業形態を行うクラスに分けた。クラス1)では,骨の実物を含まない新教材を用いた学習の後実物の骨を観察した。クラス2)では,逆に実物の骨を観察した上で新教材による学習を行った。3回の質問紙調査は高知大学教育学部附属中学校1年の各クラス担任教諭に依頼し,実施した。「セキツイ動物における骨の役割とは何か」という質問に対して,4つの正答のうち1つ以上正解した生徒は授業前ではクラス1)で58.75%(n=80),クラス2)で,40.51%であったのが,授業後ではクラス1)で96.5%,クラス2)で78.48%といずれの授業形態とも有意に正解率が増加した(x<sup>2</sup>-test:P<0.001)。介入授業後1ケ月の時点で,科学や自然を身近に感じるように変化した授業効果が定着していたのは,クラス1)であった。教材についての学習の後,実物の骨を提示した方が教育的効果が高いのかも知れない。(著者抄録)