抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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平成23年3月11日には,我が国観測史上最大の東北地方太平洋沖地震が発生したが,近年,豪雨,豪雪,強風,など自然外力は激しさを増している。しかし,鉄道の自然災害発生件数は1960年代に比べると大幅に減少している。鉄道施設の弱点となる箇所の防災対策を行ってきたことによるが,近年は鉄道管理用地外の自然斜面などが短時間豪雨によって崩壊し,土砂流入や土石流となる被害の割合が増加している。鉄道総研における自然災害防止に向けた研究開発について,地震災害,強風災害,雪氷災害,降雨災害,落石や施設の劣化など風化に伴う災害,などへの対応,および災害ハザードマップの項目に分けて概要紹介した。最後に,自然災害防止に向けた研究開発の展望としては,自然外力が過去と比較して変化しつつあり,それ故に被害形態も多様化する状況にある中で,それらを踏まえた災害防止に向けた研究開発のあり方を,地震災害防止,降雨災害防止,強風・雪氷災害防止,総合的な自然災害の減災に向けて,と項目を分けて述べた。今後変化しつつある自然の外力に対して,その外力と鉄道施設の耐力の両面を精度高く評価し,安全で安定した輸送を確保し,安心して利用できる鉄道システムのあり方について,できることから一歩ずつ進めることが鉄道総研に課せられた大きな課題である。