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J-GLOBAL ID：201102259509908226   整理番号：11A2003702

ゴマにおけるタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis(Reuter)(カメムシ目:カスミカメムシ科)の繁殖能力

Reproduction of Nesidiocoris tenuis (Reuter) on Sesame

著者 (4件)： 中石一英 (高知県農業技術センター) ,  中石一英 (高知大学農学部昆虫研究室) ,  福井康弘 (高知県安芸農業振興センター) ,  荒川良 (高知大学農学部昆虫研究室)
資料名： 日本応用動物昆虫学会誌  (Japanese Journal of Applied Entomology and Zoology)
巻： 55  号： 4  ページ： 199-205 (J-STAGE)  発行年： 2011年 
JST資料番号： F0918A  ISSN： 0021-4914  CODEN： NIPTAR  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 野外の餌動物がほとんど発生していないゴマにタバコカスミカメが大発生し世代交代することが観察されたことから,本種はゴマで増殖が可能と推測された.そこで,ゴマでタバコカスミカメは増殖が可能であるか否かを知るとともに,キュウリ,ナス,トマトおよびピーマンでの増殖についても検討した.餌にゴマ,キュウリ,ナス,トマトまたはピーマンの葉を与えた区,それとゴマの葉とともにスジコナマダラメイガ解凍卵を与えた区を設け,タバコカスミカメを飼育し,繁殖能力を比較した.タバコカスミカメの卵から成虫までの生存率はゴマでは59.3%あり,ゴマとともにスジコナマダラメイガ解凍卵を与えても生存率は有意に高まらなかった.このゴマでの生存率はキュウリを与えた場合と有意差はなかったが,ナスより有意に高かった.また,トマトおよびピーマンでは成虫まで発育した個体は見られなかった.卵から成虫までの発育日数はゴマでは29.0日と,キュウリおよびナスに比較して有意に短かったが,ゴマとともにスジコナマダラメイガ解凍卵を与えると有意に短縮した.成虫の生存日数はゴマで雌が38.4日,雄が27.7日であり,ゴマとともにスジコナマダラメイガ解凍卵を与えても有意差は認められず,ゴマでの生存日数は他の植物と比較して有意に長かった.1雌当たり総産卵数はゴマでは63.6卵であったが,ゴマとともにスジコナマダラメイガ解凍卵を与えると166.4卵と有意に増加した.ゴマ以外の植物での1雌当たり総産卵数は4卵以下で,ゴマと比較して有意に少なかった.ゴマだけを与えた飼育から求めた日当たり内的自然増加率および30日当たり増殖倍率は,それぞれ0.0465および4.0であり,ゴマとスジコナマダラメイガ解凍卵を与えて得た0.0865および13.4に比較して小さかった.しかし,ゴマでは動物質の餌がなくてもタバコカスミカメは増殖できることが明らかになったことから,ゴマはタバコカスミカメのインセクタリープランツとして利用できる可能性が示された.(著者抄録)

シソーラス用語： 産卵 ,  発生生態 ,  成長 ,  *カスミカメムシ科 ,  生殖能力 ,  メイガ科 ,  比較試験 ,  生物的防除 ,  曲線 ,  *宿主 ,  *ゴマ ,  キュウリ ,  ナス ,  トマト ,  ピーマン ,  孵化 ,  動物実験 ,  寿命 ,  比率 ,  生存率 ,  生物農薬 ,  捕食者
準シソーラス用語： Capsicum annuum var. grossum ,  Cucumis sativus ,  Ephestia kuehniella ,  Nesidiocoris tenuis ,  Sesamum indicum ,  Solanum melongena ,  Solanum lycopersicum ,  *インセクタリープランツ ,  スジコナマダラメイガ ,  *タバコカスミカメ ,  餌植物 ,  寄主植物 ,  飼育試験 ,  食草 ,  生育 ,  生存曲線 ,  繁殖能力 ,  繁殖率

分類 (3件)： 昆虫・ダニによる植物被害  (FC04072U) ,  油料作物  (FC03074V) ,  生物的防除  (FC05030B)

引用文献 (17件)：

• Abraham, E. V., S. Thirumurthi, K. A. Ali and T. R. Subramanian (1973) Some new pests of sesamum. Madras Agric. J. 60: 593.
• Birch, L. C. (1948) The intrinsic rate of natural increase of an insect population. J. Anim. Ecol. 17: 15–26.
• Calvo, J., K. Bolckmans, P. A. Stansly and A. Urbaneja (2009) Predation by Nesidiocoris tenuis on Bemisia tabaci and injury to tomato. BioControl 54: 237–246.
• Hughes, G. E., J. S. Bale and G. Sterk (2009) Thermal biology and establishment potential in temperate climates of the predatory mirid Nesidiocoris tenuis. BioControl 54: 785–795.
• 伊藤嘉昭・村井 実 (1977) 動物生態学研究法.古今書院,東京.558 pp. [Ito, Y. and M. Murai (1977) Animal Ecology Research Method. Kokinshoin, Tokyo. 558 pp.]

タイトルに関連する用語 (5件)： ゴマ ,  タバコカスミカメ ,  カメムシ目 ,  カスミカメムシ科 ,  繁殖能力