抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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船舶のバラスト水排出が海洋生態系の保全に重大な影響を及ぼしており,2004年2月に「バラスト水管理条約」が採択された。この基準は,2009年から順次適用され,2016年以降は全ての国際航行船舶に適用される。このことから,船舶でのバラスト水処理装置の開発が急務となっている。これに対し,著者らは,キャビテーションと放電プラズマを併用した水処理システムをこれまでに提案している。これは,ノズルと電極を備えるリアクタにおいて処理水を一定の圧力で送り,キャビテーション気泡を発生させ,これに放電プラズマを形成し,処理水中に含有する有機物等の分解などを行う装置で,流れに沿った電極配置により処理水と放電プラズマの接触時間が向上することが特徴である。本研究においては,この処理法をバラスト水処理装置へ適用することを提案している。本処理法を用いれば,キャビテーションによって数十ミクロン以上の大型の生物を殺滅できると同時に,放電プラズマによるラジカルによって殺菌も可能であると考えられる。今回,プランクトン(ブラインシュリンプ)と大腸菌(K-12株)を対象生物として選択して処理実験を行った。その結果,ブラインシュリンプについては,60秒の併用処理でバラスト水排水基準(10個体/m
3未満)をクリアした。また,大腸菌については,120秒の併用処理でバラスト水排水基準(250cfu/100mL未満)をクリアした。以上の結果から,本実験で用いた条件においは,120秒の併用処理によってプランクトンと大腸菌の同時処理が可能であることが分かつた。