抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自然災害リスクの経済評価手法において,厚生経済学分野で行われてきた不確実性下の便益指標に関する研究成果と議論を紹介した。防災プロジェクト実施有無のどちらの状況に基準を置くかで補償的偏差(CV)及び等価的偏差(EV)を枠組みとする指標の提案があり,符号保存性と順序保存性の議論がある。一方この指標は,平常時と災害時の状況の違いに対する支払意志額の期待値を使う方法とプロジェクト実施に対する支払意志額を用いる方法に大別される。これらの指標が符号保存性・順序保存性を有するかについては,多々納(土木計画研究・論文集No.15,p.19-30)の報告があり,明らかにされている。又,リスクマネジメント施策によって災害リスクの空間状況が変化し,回避行動の選択・評価をしなければならない場合には,空間を考慮する必要がある。この様な状況に対しては,EV概念を拡張した地域・状態に関わらず不変な便益指標として非限定EVが定義されている。非限定EVは空間を考慮した防災プロジェクトの経済評価として最適な便益指標と考えられる。