抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
河川における粒径と底生動物群集の関係を調べた国内外21の論文の整理から,自然河床では一般的に石(cobble)や巨石(boulder)が優占する河床で底生動物の個体数や分類群数が高く,砂,砂利,基岩(sand,gravel,bedrock)では底生動物が少ないことが示された。粒径が大きいと,身を潜めるための隙間や定住に欠かせない基質の安定性が高まることで,底生動物の環境収容力が増すと考えられる。河床粒径(粒径クラス)の違いを生息場の定量評価に組み入れることで,底生動物の多さをより具体的に評価することが可能になる。一方,粒径を人為的に揃えて設置する野外実験では,石よりも小さい礫(pebble)で底生動物の個体数や分類群数が高かった。自然河床と野外実験の結果の違いは,単一の粒径より粒径の組み合わせを考えることがより適切な生息場評価につながることを示している。(著者抄録)