抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは,部材端にヒンジを形成してもほとんど損傷が生じない鉄筋コンクリート造の実現を目指し,ヒンジ領域において主筋とコンクリートを分離した降伏機構分離型鉄筋コンクリート造(RCHIS)の研究を進めている。本論では中規模地震による被害を受けた鉄筋コンクリート構造物の機能回復のための補修を想定し,応急復旧として用いられている2種の修復材(エポキシ樹脂,セメント系注入材)を用いた注入修復をRCHIS梁に施した際の構造性能を明らかにするための載荷試験を行った。この結果,以下のようなことが分かった。1)RCHIS梁は,補修後においても補修前と同様,梁端部の曲げひび割れ幅のみ大きく,その他のひび割れは軽減されている。2)RCHIS梁の補修後の耐力,靭性は補修前とほぼ同じになる。3)RCHIS梁は補修後においても,部材角1/100程度の変形においては,付着除去区間で主筋に一様なひずみが生じている。4)RCHIS梁は損傷を梁端部に集約させ,部材全体の損傷を軽減するため,曲げひび割れやせん断ひび割れを抑制できた。5)せん断余裕度を1.25程度としたRCHIS梁は補修後の構造性能は部材角1/25まで非常に安定した履歴を示した。6)RCHIS梁はコンクリートに近い弾性係数を持つ材料を補修材とすることで高い構造性能を発揮できる。