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J-GLOBAL ID：201202211263526137   整理番号：12A1758663

酸化物多結晶体における粒界構造と高温物質輸送現象の制御

著者 (1件)： 吉田英弘 (物質・材料研究機構)
資料名： まてりあ  (Materia Japan)
巻： 51  号： 12  ページ： 552-560  発行年： 2012年12月01日 
JST資料番号： F0163A  ISSN： 1340-2625  CODEN： MTERE2  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 粒界構造・化学組成に着目した酸化物の材料開発を紹介した。カチオン添加による粒界構造制御をより積極的に利用して,母相にはないユニークな輸送現象の発現を試みた。粒界構造制御によるAl₂O₃の耐高温クリープ特性の向上や正方晶ZrO₂多結晶体の超塑性温度の低温化,Y₂O₃の焼結性向上についての研究成果を紹介した。多結晶Al₂O₃にSr²⁺,Zr⁴⁺,Lu³⁺,Ti³⁺,Mg²⁺を添加すると高温クリープ変形が変化した。Lu³⁺添加の場合,カチオンが粒界に偏析していた。これが粒界拡散係数を遅らせクリープ変形を抑制した。正方晶ZrO₂多結晶体に2mol%のGe⁺⁴を微量添加する400%の伸びを示し,超塑性変形特性が向上した。Y₂O₃に1mol%のMg²⁺,Ni²⁺,Zn²⁺を添加すると相対密度と平均粒径が増加し,焼結性が向上した。最後に粒界構造に基づく新たな材料設計の可能性にも言及した。

シソーラス用語： *セラミック ,  結晶粒界 ,  固体内拡散 ,  超塑性 ,  焼結 ,  *酸化アルミニウム ,  多結晶 ,  *輸送現象 ,  カチオン ,  *酸化ジルコニウム ,  正方晶系 ,  超塑性変形 ,  *酸化イットリウム ,  焼結性 ,  材料設計 ,  マトリックス【母体】 ,  高温クリープ ,  クリープ強さ ,  粒界拡散 ,  粒界偏析 ,  金属イオン ,  ドーピング
準シソーラス用語： 結晶粒成長 ,  多結晶体

分類 (2件)： 金属酸化物及び金属カルコゲン化物の結晶構造  (BK07020Y) ,  セラミック・陶磁器の製造  (YC03020V)

引用文献 (51件)：

• (1) H. Yoshida, K. Okada, Y. Ikuhara and T. Sakuma: Phil. Mag. Lett., 76(1997), 9-14.
• (2) H. Yoshida, Y. Ikuhara and T. Sakuma: J. Mater. Res., 13(1998), 2597-2601.
• (3) H. Yoshida, Y. Ikuhara and T. Sakuma: Acta Mater., 50(2002), 2955-2966.
• (4) F. Wakai, T. Nagano and T. Iga: J. Am. Ceram. Soc., 80(1997), 2361-2366.
• (5) C. M. Wang, G. S. Cargill III, H. M. Chan and M. P. Harmer: Acta Mater., 48(2000), 2579-2591.

タイトルに関連する用語 (5件)： 酸化物 ,  多結晶体 ,  粒界構造 ,  物質 ,  輸送現象