抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
先進超々臨界圧(A-USC)火力発電では,高効率ともに経済性も要求されるため,安価なフェライト系耐熱鋼を650°C以下の低温部に,高価なNi基合金は700°C程度の高温部のみに使用する考えになっている。フェライト系耐熱鋼の10万時間クリープ破断強度がA-USCプラント実現の鍵を握っている。ここでは,650°Cで長時間使用可能な9Cr鋼のための合金設計について述べた。基本的な克服すべき材料課題は,母材の長時間クリープ強度劣化,溶接継手のクリープ強度劣化,高温水蒸気中の耐酸化性である。粒界近傍組織の長時間安定化の観点から,粒界に偏析し易いボロンを少量添加した9Cr鋼母材の長時間クリープ強度向上対策について解説した。ボロンの析出物と窒素濃度の関係がクリープ強度に及す影響を整理した。また,窒素長寿命化で重要なのは,ボロン添加濃度ではなく固溶ボロン濃度であることを指摘した。これらの知見に基づく9Cr鋼溶接継手のクリープ強度劣化の抑制策と開発鋼(MARBN鋼),並び予備酸化によるCr
20
3の保護皮膜として作用を利用した耐酸化性向上策等の成果に言及した。