抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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源頭部流域は流域全体の中でも主要な土砂生産源である。本研究では,北海道日高山脈の沙流川の支流である宿主別川流域内で,宿主別川本流路に流入する13流域について,その扇状地上の同齢林の分布から推定した土砂流出パターンと降雨強度との関係を調べ,流域間での感度の差違を明らかにした。また感度の異なる流域間での斜面崩壊の分布および流域の地形特性の比較を基に,斜面崩壊のタイミングおよび卓越する土砂の流出パターンとの関連性について検討した。その結果,以下のような結果が得られた。研究対象の13地域は降雨に対する感度の違いから2グループに分けられ,感度の低い流域では,流域内で崩壊が発生した場合でも,日降雨量300mmを超える降雨でない限り土砂流出は発生しないのに対し,感度の高い流域では崩壊の有無にかかわらず,日降雨量200mm未満でも土砂流出が起こっている。両グループで,斜面崩壊による土砂供給のタイミングよりも河床に滞留した土砂の再移動の起こりやすさを反映していた。年輪年代解析に基づいて扇状地の堆積履歴を推定することで,源頭部流域からの土砂流出頻度を過去100年以上に渡って把握できる可能性がある。