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J-GLOBAL ID:201202224516583935   整理番号:12A0477395

乳汁中の少糖類と乳糖の進化:一仮説

Evolution of milk oligosaccharides and lactose: a hypothesis
著者 (3件):
資料名:
巻:号:ページ: 369-374  発行年: 2012年03月 
JST資料番号: W1725B  ISSN: 1751-7311  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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哺乳類の乳汁及び初乳は,最高10%の炭水化物を含み,そのうち80%以上が乳糖である。哺乳類共通の祖先の原始的乳腺から出る原始的乳汁分泌物は,脂肪及びリゾチームなどの蛋白質を含んでいたが,C型リゾチームから進化したと考えられるα-ラクトアルブミン(α-LA)が存在していなかったために乳糖や少糖類を含んでいなかったという仮説を提示した。リゾチームから進化してα-LAが初めて出現したとき,泌乳乳腺中のその含量は少なく,乳糖の合成速度は遅かった。グリコシルトランスフェラーゼが存在していたため,ほとんどすべての発生期の乳糖を少糖類の生合成に利用した。哺乳類共通の祖先が生産していた原始的乳汁分泌物中の支配的な糖類は,遊離の乳糖よりもむしろ少糖類であった。この初期の時代以降,少糖類は抗感染因子として作用するようになり,その後,それらはα-LAの合成増加の結果として新生児にとって重要なエネルギー源として受け入れられるようになった。これは乳汁中の乳糖濃度の付随的増加を生じさせ,乳糖はほとんどの真獣類にとって重要なエネルギー源となった。一方,少糖類は主として抗菌物質として作用し続けた。さらに,乳糖は乳量を調節する浸透圧調節因子として作用し始めた。多種類の哺乳類の乳汁中少糖類の化学構造についての研究から,ヒトの乳汁あるいは初乳ではラクト-N-ビオース1(LNB)(I型)を含む少糖類がN-アセチルラクトサミン(II型)を含む少糖類よりも圧倒的に多いという点で独特なものであり,一方,他の動物種ではII型少糖類がそれのみかあるいはI型少糖類よりも圧倒的に多いということが分かった。この特徴から,それがヒト幼児の結腸において有益な結腸内細菌Bifidobacteriaの生長を促進する可能性があるという点で選択的利益をもつかも知れないという仮説を立てることができる。
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分類 (2件):
分類
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外分泌腺  ,  進化論一般 
タイトルに関連する用語 (5件):
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