抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リスク評価をめぐる社会的意思決定の混乱がなぜ起きるのか,どうすればこのような混乱の繰り返しを回避もしくは軽減できるのかという問題を,科学技術のリスク評価が依拠する専門知から検討する。スターリングは専門知が本質的な不安定性を持っていると指摘し,発生可能性のあるハザードとその発生確率それぞれに関する専門知が「定まっているか否か」によって,専門知の状態を,リスク,不確実性,多義性,無知の4種類に類型化したが,各類型の意味を整理して示す。経済性という評価軸によるエネルギー技術のリスク評価例,遺伝子組み換え作物に関するリスク評価例,政治的な意図に基づく使用済み核燃料の全量直接処分に関わる不適切な計算例を取り上げ,「多義性」の状態では科学的助言は複数的で条件つきな性質を持たざるを得ないと指摘する。また,議題設定や意思決定をするにあたって関与者を拡大することの意義について議論する。