抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本報では,冷凍ピンチャックに使用する凝固温度17°C,水と比較して1/4の表面張力をもつ冷凍液のせん断剥離強度やピン頭以外の撥油処理効果,せん断剥離強度へ影響を与える凝固プロセスについて示し,凝固固着により生ずる石英ウェハの変形について明らかにした。無反り基板を創成する研磨加工を実現するために,考案した低流速霧状塗布方法と撥油処理方法を利用して,目標値を大きく上回る強固で,安定したせん断剥離強度を得た。同時に凝固固着による変形も微小で,反りの極めて小さい基板が創成できることを示した。これにより得た主な知見を次に示した。1)GC#400砥粒で粗した表面粗さRa0.69μmのSUS鋼板と石英試料間の平均せん断剥離強度は950kPaであり,表面粗さの増大に伴い大きくなること,せん断剥離強度は,凝固が試料中心から始まると大きく,端から始まると小さくなること,2)ピン頭を粗した直径0.5mm,ピッチ1mmのせん断剥離強度は157kPaであり,目標値49kPaを大きく上回ること,3)撥油処理後,ピン頭を粗した直径0.5mm,ピッチ1mmのせん断剥離強度は,凝固温度5°Cでは約150kPaであるが,凝固温度の上昇に伴い大きく減少し,13°C以上では目標値49kPaを下回ること,4)冷凍液による全面固着の場合,数10μm以上の凸状反りをもつウェハの変形量は±2μm/φ50mmと大きいが,直径0.5mm,ピッチ1mmのピン固着の場合,±0.5μm以下と約1/4に低減すること。