抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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各種の基準項目として取り入れられているCODは重要な水質指標だが,いくつか問題もあり,水中有機物の濃度を,より適確に反映できるとされるTOCへの移行も検討されている。CODによるデータの蓄積を生かすため,TOCからCODへの変換式が重要だと思われる。そのさい,水域ごとに慎重に変換式を求めることが重要と考えている。これまで,工場排水等にはその変換式の検討例があるが,ため池等ではみられない。一方,都市域での水辺環境の復活・維持が求められており,ため池での水質に関する検討は重要なものだと思われる。そこで,本学近くの旗立緑地のため池と流入水(起源は渓流水)の調査を,約半年間行なった。有機物汚濁は,機器分析によりCODとTOCを計測した。ため池の水質レベルは,CODがつねに5.0mg/lを超えるレベルであった。流入水,ため池のCODとTOCの回帰分析を行なうと,切片を0とした回帰式の傾きはほぼ2だった。公表されている大倉ダム(起源は同じく渓流水)のデータでも,類似した回帰式が得られた。いずれも,まずまずの相関係数を示した。さらに,今井の渓流水の報告とも一致する。今回示したものは,たくさんの起源をもつ環境水のうちの1つについてのみの検討に過ぎないし,また,高度な分析・解析ではないが,同様の検討をいろんな起源の水に対して積み上げていくことが,行政施策に寄与すると考える。最後に理論的な考察を行ない,今回の結果を検討した。(著者抄録)