抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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チップマルチプロセッサ(CMP)においてキャッシュの効率的な利用は重要な課題となってきている。キャッシュの容量を柔軟に利用するアプローチの1つとして,Distributed Cooperative Caching(DCC)のように,占有キャッシュをベースとしながらも,あるコアのキャッシュから追い出されたラインを別のコアのキャッシュへと移動可能とする構成が提案されている。DCCでは,コア間のコヒーレンスを制御するために分散化されたディレクトリを用いる。本論文では,このディレクトリがキャッシュの利用効率を損なわないようにいくらかの余剰エントリを持っていることに注目し,これらのエントリが持つ情報を利用してキャッシュから追い出されたラインの移動を制御する方式であるASCEND(Adaptive Spill Control with extra ENtries of Directory)を提案する。評価の結果,8コアで2つの並列アプリケーションを同時に動作させた場合,移動可能なラインをすべて移動する場合と比べて性能が平均で1.5%,最大で16.9%向上した。また,16コアで4つの並列アプリケーションを同時に動作させた場合では,平均で1.5%,最大で14.0%の性能向上を達成し,アプリケーションの組合せごとに最適なラインの移動割合を知っていたと仮定した,DCCの理想的な性能に近い性能を得た。(著者抄録)