抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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日本図書館協会(協会)の認定司書制度は,「図書館経営の中核を担いうる司書を専門職員として認定する」名称付与制度である。認定司書を,協会をはじめとする図書館界の各種の事業や活動のなかで,今後どのように位置づけるべきかについて,個人的な意見を論述した。認定司書制度の基本的な考え方について,認定の要件,制度設計における「複線型」の司書のキャリアパスの想定,一定程度の実務経験と研鑽努力の認定要件,1999年の「地方分権」「規制緩和」への図書館の戦略的な対応としての認定司書制度という認識について述べた。認定司書の勤務図書館,図書館界,協会での位置づけについて検討し,認定司書制度は,個人的な利益や処遇改善をめざす枠組みの中に位置づける制度というよりも,公共的な利益をめざすところに成り立つ制度と考えた。認定司書審査規定における「図書館員の倫理綱領」の遵守に関連し,図書館の「社会的責任」を自覚した図書館員の「社会的責任」と「研修につとめる責任」について指摘した。認定司書制度とは,研鑽努力を積んだ司書への「ごほうび」なのではなく,専門職と呼ばれるにふさわしい職業倫理と責任感に支えられた司書の「見える化」である。