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J-GLOBAL ID：201202236119719500   整理番号：12A1123116

雪解け時期と気温上昇が稚樹の開葉フェノロジーに与える影響

Effect of the snow-free timing and temperature rise on the flushing phenology of seedlings

著者 (2件)： 伊藤公一 (鳥取大 大学院農学研究科) ,  佐野淳之 (鳥取大 農)
資料名： 日本生態学会誌  (Japanese Journal of Ecology)
巻： 62  号： 2  ページ： 111-120  発行年： 2012年07月30日 
JST資料番号： G0845B  ISSN： 0021-5007  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本研究では,雪解け時期の違いが林床に生育する稚樹の開葉フェノロジーに対してどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とし,アカマツに落葉広葉樹の混交する二次林内の積雪量の異なる2ケ所にプロットを設け,開葉フェノロジーを3年間観察した。積雪量が多く,雪解け時期が遅い年ほど雪面下の温度と外気温の差が大きくなり,雪解けが遅かったプロットにおける開葉の進行は,雪解けが早かったプロットに比べ全体的に遅くなった。積雪量が少なかった年では,雪解け時期は早くなったが,4月の月平均気温が平年よりも低かったため,結果的に最も積雪の多かった年と同じような開葉度の推移を示した。これらのことから,稚樹の開葉は積雪が多い年では雪解け時期に,積雪量が極端に少ない年では春先の温度環境に大きく影響を受けると考えられる。また,雪解け時期の影響を,雪解けに伴う地表面の温度変動パターンの相違と見なして,実際の開葉日のばらつきを有効積算温量モデルを用いて評価したところ,開葉予測日との誤差が小さかったことから,有効積算モデルによって,雪解けの時期の影響を量的に評価できることが示唆された。(著者抄録)

シソーラス用語： *樹木 ,  *苗木 ,  *上昇 ,  *融雪 ,  *植物生理 ,  *生物学 ,  *季節的変動 ,  植生 ,  アカマツ ,  広葉樹 ,  混交林 ,  二次林 ,  深さ ,  生息環境 ,  積算温度 ,  植物成長
準シソーラス用語： *フェノロジー ,  *開葉 ,  *気温上昇 ,  積雪量 ,  有効積算温度 ,  落葉広葉樹 ,  林床植生

分類 (2件)： 植物生態学  (EE02000E) ,  森林植物学  (FF02020E)

引用文献 (31件)：

• 青野靖之. 温度変換日数法によるソメイヨシノの開花に関する気象学的研究. 大阪府立大学紀要 (農学・生命科学). 1993, 45, 155-192
• CANNELL, MGR. Thermal time, chill days and prediction of budburst in Picea sitchensis. Journal of Applied Ecology. 1983, 20, 951-963
• DABROS, A. Effects of open-top chambers on physical properties of air and soil at post-disturbance sites in northwestern Quebec. Plant and Soil. 2010, 333, 203-218
• 大丸裕武. 雪田の消長からみた高山-亜高山帯の気候変動. 森林立地. 1993, 35, 9-14
• 藤本征司. 広葉樹29種の10年間の開芽フェノロジー観測に基づく開芽日予測法の検討. 日本森林学会誌. 2007, 89, 253-261

タイトルに関連する用語 (5件)： 雪解け ,  気温上昇 ,  稚樹 ,  開葉 ,  フェノロジー